見えないものを見る
週末、「わだばゴッホになる」の名言で知られる、世界的にも有名な
版画家・棟方志功の企画展に行ってきました。
前期開催期間終了間近の駆け込みでしたが、作品を鑑賞できてとてもよかったです。
作品数は多くはありませんが、板画(版画)、油絵、倭絵(肉筆画)や書などが展示されていました。
どの作品も、枠からはみ出しそうな勢い、豪快さ、力強さがありカラフルな色彩にも目を奪われます。インパクトだけではなくて、宗教画のような神秘的な品と美しさも感じました。
棟方志功記念館 (写真はこちらのHPからお借りしました。)
棟方志功は極度の近眼でいつも分厚い眼鏡をかけ、板にすれすれまで顔を近づけて版木を彫る姿はとても印象的ですが、57歳の時に左目は失明、右目も僅かしか見えない状態で、作品を作り続けていたそうです。
「棟方志功 祈りと旅」展|静岡市美術館 (写真はこちらのHPからお借りしました。)
目が悪かったことや独特の制作スタイルは知っていましたが、わずかに見える右目だけで作品を作り続けていたとは、正直知らなかったので驚きでした。
板画や作品にかける情熱にも胸が打たれました。
だからこそ、棟方志功の作品は独自の表現とエネルギーに満ち溢れていて、そして一途に制作に励み続ける姿には、とても惹きつけられるものがあるのでしょうか。
棟方志功は、こう書き残しています。
『見えない眼は見たいものだけ見える眼。
便利な眼であった。』
私たちはきっと、目に頼りすぎているのかもしれません。
事の本質は目に見えない範囲にこそ存在しているのかもしれないと、この言葉と作品を通して強く感じました。
「わだばゴッホになる」の名言で知られるとおり、ゴッホの『ひまわり』に強い感銘を受け油絵画家を目指していたこともあって、板画の道へ進んだ後も晩年まで油絵を描き続けていたそうです。
私もゴッホの「ひまわり」が好きなので、棟方志功のひまわりの作品がとても好きになりました。
棟方志功ご遺族(著作権管理者)の特別なご許可のもと、10月16日(土)から一部の棟方志功作品の写真撮影及びSNS・ブログへの掲載が可能になったそうです。
https://www.city.ichinoseki.iwate.jp/museum/news/article.php?p=309
なので、記念にパシャリ。
実物を見ることに勝るものはありませんが、このブログを読んでくださった皆さんと、シェアできたらいいなと思ったので、載せますね。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。