Every Day a Good Day

Every Day a Good Day

好きなこと 勉強していること 日常のことを綴ります

『赤めだか』立川談春

今日は1日中、雨でした。

図書館から借りだめしていた本が何冊かあって、返却期限も迫ってきていたので、今日のような天気の日は読書日和だな、と思い本を読んで過ごしました。

 

前々から読んでいたのですが、本日読み終えた1冊が『赤めだか』です。

 

この本は、著者である立川談春師匠が落語家を目指して立川談志師匠に入門してから真打昇進に至るまでの、葛藤や苦悩や人情話などが書かれたエッセイです。

談志師匠のエピソードもたくさん書かれています。

 

 

正直なところ、落語は子供の頃からテレビでやっている笑点くらいしか知りませんし、著者の立川談春師匠のことも知りませんでした。そんな落語無知の私ですが、たまたま今習っているヨーガのホーム・ヨーガ学会のホームページに、おすすめ書籍でこの「赤めだか」が紹介されていて、面白そうだなと思ったのが、この本を読むきっかけでした。

 

読んでみて大当たり!でした。

今年読んだ本の中で3本の指に入るくらい、すごく面白かったです。

 

著者である立川談春師匠の文才にも引き込まれました。噺家はしゃべりのリズム感がすごいなと思ってましたが、文章を書いてもリズム感があってとてもテンポ良く、そして情景も頭に浮かんできて、思わず吹き出して笑ってしまう場面もありましたし、心がじんわりして目頭が熱くなる場面もありで、最初から最後までダレることなく楽しく読み終えてしまいました。

 

「落語とは人間の業の肯定である」という談志師匠の言葉がとても印象に残りました。

落語は「努力は必ず報われる」とか「為せば成る」とか、そういう上手くいってる人が主人公になるのではなくて、そこから外れてしまった人たちが主人公となるということ。

人間の情けなさ、愚かさ、全てをひっくるめて認め、それを抱えて生きていく人間の姿を語るものが落語なんだということ。

 

落語を観にいってみたいなと思いました。

 

そして、談春師匠の修行時代も結構強烈なのですが、破天荒な談志師匠とのはちゃめちゃなエピソードや、読んでいる私が理不尽な師弟関係だなと思うところがあっても、談志師匠への深い師弟愛も伝わってきました。談志師匠は私のイメージしていたよりも人間味もあって、人情深く愛情深いく弟子たちに関わっているところもすごく魅力です。

兄弟弟子同士の友情、競争、嫉妬や挫折の話のところどころに談志師匠の哲学的考えが散りばめられていて、壮絶な修行話でありながら、笑えるところあり、感動するところありで面白かったです。

 

 

Amazonのブックレビューをみると高評価でした。納得です。

この本は、落語がテーマではありますが、どんな人生にも、どんな人にも、読んでいて心に響く一文に出会えるんじゃないかな。

読んだ後は、すごく元気が出ます。

興味が湧いたら、ぜひ読んでみて欲しい本です。